累計販売枚数750万枚を超えるはるやまの大ヒット商品『アイシャツ』。
『アイシャツ』の“これまで”と“これから”を、バイヤーであるお二人の対話を通してご紹介します。
『アイシャツ』の“これまで”と“これから”を、バイヤーであるお二人の対話を通してご紹介します。
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近藤 美穂
Miho Kondo
木寺 俊一朗
Shunichiro Kidera
- Profile
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近藤 美穂
2005年入社
現在の所属:はるやま商品部 課長
プロジェクトスタート時の部署:はるやま商品部 主任(2006年配属)木寺 俊一朗
2004年入社
現在の所属:はるやま商品部 係長
プロジェクトスタート時の部署:はるやま事業部 販売員
始まりは、2008年
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近 藤
2008年、スポーツ選手の方々からのご要望に応えるべく、選手たちにとって着慣れないスーツを、なんとかストレスなく着てもらえるように「スポーツ生地のようなワイシャツ」を目指して試行錯誤した末に生まれたもの、それがアイシャツです。国を代表するような選手たちも着るものですから、求められるものも多く、その分全社でも盛り上がり、やりがいのある仕事でしたね。 -
木 寺
従来のワイシャツがいわゆる「織物」であったのに対し、アイシャツは「編物」なんですよね。選手たちは大会本番に合わせて身体を仕上げてくるので、伸縮性に富み、なおかつ風通しがよく涼しいものを、という要望を叶える手段として「編物」にたどり着きました。今でこそ「ストレッチ」や「接触冷感」をうたうワイシャツはよく見かけますが、このクオリティのドレスシャツでの実現はアイシャツが初めてだったと思います。 -
近 藤
選手たちの身体は競技前後にも変化するので、私自身も選手の宿泊施設で緊急の調整、交換に対応させてもらったのはいい経験です。努力の甲斐あって、選手たちからはかなりご好評いただきました。そして満を持して店舗へと展開していくわけですが……。
大人気商品となるまでの道のり
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木 寺
店舗でのアイシャツの取り扱いを始めた当初、私は店舗勤務だったのですが、最初は全く売れませんでした。というのも、見た目がラッシュガードのようにテカテカしていたんです。それはスポーツ生地で多用されているポリエステル100%素材の「編物」でワイシャツを作ったためなのですが、従来の「織物」のワイシャツとは明らかに見た目が違い、ビジネスの場で着用するものとしてはそぐわないように見えていたのだと思います。 -
近 藤
どうしても「編物」なので、重みと厚みがあったのも問題点の一つでした。そこで、まず糸から見直していくことに。糸屋さんと生地屋さんにご協力いただき、アイシャツを「見た目は普通のワイシャツだけれども、機能面では圧倒的に優れたもの」へ変える挑戦が始まったのです。なんども試行錯誤を繰り返し、実際に売れ始めたのは3年ほど経った頃でしょうか。そのころには、色の展開はもちろん、織柄のような模様のバリエーションも展開できるようになっていました。 -
木 寺
洗濯後の皺の残り具合を示すW&W性の評価で最高ランクの5級をいただけたことで、「完全」ノーアイロンを掲げることができるようになったのも大きな転機でした。利用者のみならず、ご家族の方からも「お手入れが楽ちんだから」とご支持をいただけるようになり、一気に認知度が上がりましたね。「編物」ならではの部屋干しでも30分で乾く速乾性も、出張などあらゆる場面で使いやすく、今日に至るまでご支持をいただけている理由です。
「アイシャツ」のこれから
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近 藤
昨年、アイシャツは約100万着を売り上げ、累計では750万枚を超える、はるやまの看板商品となりました。ストレッチ、接触冷感、「完全」ノーアイロン、速乾性と、ワイシャツとしてはほぼ完璧と言える性能を誇るアイシャツですが、我々はさらに次のステージを目指しています。 -
木 寺
アイシャツをさらにたくさんのお客様にご支持をいただく商品にするための模索が始まっています。例えば、各社とのコラボを実施したり、背中に穴をあけることによってさらなる通気性の向上を目指すなど、すでに完成されたかに見えるアイシャツをどのように改善していけるか、日々頭を悩ませています。難しいですが、お客様の声を聞くとまだまだ伸びしろがあるので、アイシャツの可能性に「夢中」になっていますね。 -
近 藤
アイシャツで培った「編物」の技術を、スーツに取り入れていく試みも始まっています。「編物」ならではの擦れによる毛玉や、「織物」のときにはなかったひっかきなど、改良の余地は多々ありますが、アイシャツのように自分たちの手で理想の商品を創り出せると思うと「夢中」になってしまいますね。
アイシャツの開発には、社内外のたくさんの方々にご助力いただきました。ご恩に報いるために、そしてアイシャツをお客様にとってなくてはならない商品にするために、これからも試行錯誤を続けていきます。
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